2026年5月18日月曜日

兵庫県における防災専門職の導入

我々の大学院学生の主な就職先の一つとして、自治体の公務員があります。
ただ日本では、防災を専門的に学んだからといって公務員試験が有利になるわけでなく、防災部局の仕事も、ジェネラリスト型の公務員(事務職や建設系技術職)が担ってきました。

ジェネラリスト型の職員は、部局横断的な調整を行い、多様な行政課題に柔軟に対応することができるというメリットがあり、また防災部局の経験者を増やすという点でも有利です。その一方で、頻繁な人事異動は課題もあり、防災分野における専門知識や組織的な経験を十分に蓄積することが上手くできていませんでした。

1995年の阪神・淡路大震災、2011年の東日本大震災、そして2018年の西日本豪雨災害などを経て、日本では、自治体内部における防災の専門的能力を育成・維持することの重要性が、ますます認識されるようになり、一部の自治体では、防災専門職の導入が始まっています。

広島県は、日本で初めて防災専門職を設置した自治体であり、2023年度採用から「防災職」の募集を開始しました。続いて大阪府吹田市では、基礎自治体としては初めて防災専門職を導入し、2024年度実施の採用試験において、「災害マネジメントコース」での採用を開始しました。

そして、2026年度の採用試験から、ようやく(!?)兵庫県でも防災専門職の採用が開始されました。(うちの大学院の学生にとっても朗報です!)
https://web.pref.hyogo.lg.jp/ji01/pc01_100000025.html

とは言え、導入した自治体でも、採用する人数は極めて限定的(数名程度)で、防災部局に何十人もいるなかで、防災専門職の職員は限定的でしょう。ただ、それでも、コアとなる専門知識、経験を有する職員がいることは、災害時にはとても心強いと思います。

この流れが、日本のより多くの自治体において、さらにはライフライン企業などにおいて、防災専門職の採用・育成につながり、組織の災害対応の教訓が、受け継がれていくことを期待しています。そして、我々の大学院の卒業生が、そのような場で活躍してくれるようになることでしょう。

2026年4月25日土曜日

英語での情報発信

  新年度になったということで、英語の練習を兼ねて、日本の防災に関する情報を英語で発信することに挑戦してみることにしました。

 日本語だとX(旧・ツイッター)がポピュラーですが、AIさんに聞いてみると、英語の場合はLinkedinが良いそうなので、休眠中だったLinkedinのアカウントを稼働させてみることにいたしました。
 アカウントのURLはこちらになります。
 https://www.linkedin.com/in/shoheibeniya/

 ブログと併せて、よろしくお願いいたします。

2026年4月1日水曜日

石油が入ってこない世界

  ホルムズ海峡危機を心配したブログを書きましたが、「石油が入ってこない怖さ」を実感した経験がありました。2011年の東日本大震災です。

 当時、人と防災未来センターの現地支援活動として、3月14日から福島、宮城に入っていたのですが、借り上げたタクシー(LPガス車)から見える風景が、これまでの災害と違っているのです。通常は、「物資輸送の自動車で道路が渋滞で動けない」というのが震災後の風景なのですが、ガソリンが入っていないため、
 「道路に車が走っていない」
 「車が少ないので、信号が点いていなくても、普通に交差点に入れる」
 「ガソリンスタンドに、長蛇の車列ができている」
 「津波で壊れた自動車の給油口がこじ開けられている(ガソリンが抜かれている)」
という状況でした。

ガソリン待ちの行列

           給油口がこじ開けられた被災した自動車

 避難所被災者の方からは
「直後は、スーパーからの食べ物があったが、その後、入ってこないので、どんどん食べるものがなくなっている」
という話を聞いて、背筋が寒くなったのを、今でも覚えています。
 昔、太平洋戦争の話を祖母から聞かされていたのですが、率直な感想として「石油がなくなると人が死ぬ、戦争になるというのは本当だなぁ」と思いました。

 その頃、宮城県の災害対策本部で聞いた話では、約700箇所くらいの県内のガソリンスタンドで、営業しているのは10もなかった記憶があります。また、ガソリンスタンドでのトラブルも多発したため、タンカーが入ってくる目処がはっきりしなくても、「目安でも、いつ頃、ガソリン不足が解消されるか情報を出さないと社会的に耐えられない」という話も出ていた記憶があります。(あくまで記憶なので不正確かもしれません)

 日本国内での偏りだけでもこの状況でしたので、世界全体で不足するとどのような悲劇になるのか、想像もつきません。4月1日の情報では、状況は改善されていっているようです。ぜひこのまま戦闘が終結し、世界が穏やかになるよう願っております。

4月1日のご挨拶

  4月1日を迎え、新しい年度となりました。これまで大学教員として研究・教育に励んできましたが、今年度は心機一転、私も学生になって研究に打ち込んでみたいと思います。

 これまで、わりとユニークなキャリアを歩んできましたが、定年までの残り10年間も、変わらず自由に、新しいチャレンジを楽しんでいきたいと思いますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

2026年3月29日日曜日

気が付けば3月。雑感(熊本地震の復興とホルムズ海峡危機について)

 秋から冬にかけて、学会や学生の論文指導、種々の締切に追われているうちに、あっという間に3月になってしまいました。まだ締切を過ぎている仕事が残っておりますが、年度内にはすっきりできるよう頑張りたいと思いますが、雑感を少し。


■熊本地震後の益城町の復興について

 つい先日、熊本地震10年目を迎えようとしている熊本県を訪問してまいりました。
 被災後、ご縁があって、益城町の復興検討委員会の産業部会の委員を務めさせていただいたのですが、そこでコメントに迷ったのが、道路の拡幅の話です。渋滞がひどいので拡幅が必要という意見がある一方、町の雰囲気を変えるという批判もありました。

 阪神・淡路大震災でも、道路拡幅については批判的に扱われることが多かったのですが、益城町の場合、道路拡幅をした方がよいだろうと考え、そのような意見を述べさせていただきました。理由としては、「被災の大きかった木山地区を町の中心市街地に位置付けるのであれば、当時の渋滞の状況だと、店舗等が北側の別の広い道路沿いに出店し、町の中心部が移動してしまう可能性があること」、「当時の道路では、歩道が狭く沿道商業を生かせないこと(安心して歩けないこと)」、「将来の市電延伸の可能性を残すこと」、「南下がりの斜面なので、ペデストリアンデッキをかけるなど道路の南北をつなく手法があること」などです。

 ただ、「あのときのコメントがよかったのかどうか」については、ずっと気になっていて、その答え合わせもしたくて、全線開通がされたタイミングもあって、現地を訪問してきました。以前訪問した際は「思ったよりも道路幅が広いなぁ」と感じたのですが、今回みると、バスが停車してもほかの車が追い抜きやすく、渋滞解消は図られ、新たな街の中心部を活性化するためにはよかったと考えられる街になっていました。今後も長期的な影響や町の発展をウォッチし続けたいと思います。



 まだ区画整理は進行中なのですが、願わくば、住民の方にとって魅力的な機能集積が、道路の沿道沿いに進むことを期待しております。

 また、庁舎の人工芝の3Fテラスや庁舎南の広場やコミュニティスペース(にじいろ)では、春休みということもあって、多くの子ど町が遊んだり、勉強したりしていました。とても素晴らしい空間に仕上がっており、山下設計さんの手腕に頭が下がる思いでした。またゆっくりと見て回りたいと思います。(今年5月の地域安全学会・春の大会が熊本なので、ぜひご参加ください。)


■ホルムズ海峡危機について

 国際政治や紛争については全くの専門外なのですが、ホルムズ海峡危機によるエネルギー問題については、医療や企業の現場に近い人や専門家のコメントと、テレビや世間のギャップが大きいと感じます。この雰囲気、何かに似ていると思ったら、コロナ禍前の2020年1月~2月とよく似ている雰囲気で、気持ちが揺れ動かされます。

 未知のウイルスに比べると、紛争は人災であり、今後、何が発生するのか、どのような被害が起こるのかについては、予測可能性が高いとは思います。しかし、正常化の偏見などもあって、適切にリスク認識ができ、対策が取れるかは、また別問題です。長期的に社会活動・日常生活への影響が大きくなる可能性については考えておいた方がよさそうかなと思います。

 例えば、ガソリンの給油制限や公共交通の間引き運転、電気・ガス料金をはじめ、各種物価の値上がり、さらには原料不足や容器などが作れなくなり、店頭に食品や薬品が並ばなくなる事態も、最悪の場合には考えられます。肥料原料の不足による世界的な農業への影響も、不安なところです。危機管理に関わる者としては、コロナ禍のように、エッセンシャルな社会機能の継続を優先させる政策(&そうでない活動が制限される可能性)がとられる可能性についても、視野に片隅に入れておく必要があるでしょう。危機をあおりたくはありませんが、子育て中のご家庭などは、紙おむつや粉ミルクなどは備蓄しておくことが望ましいでしょう。

 とはいえ早く停戦となって大事にならなければ、それに勝ることはありません。早期に戦いがおさまることを強く願っております。

2025年9月27日土曜日

8月、9月の近況など

 また1ヶ月ほど、更新できていませんでしたので、近況を少し。

8月、9月は、一般に大学教員は夏休みで時間があり、研究ができる期間なのですが、今年は、

・台湾(銘伝大学)からの国際インターン学生の受入(→久しぶりの英語授業)
・防災士研修(→ちゃんとした講義+防災に関する資格制度や試験の裏話)
・ぼうさいこくたい(→現地では愛子様のおっかけ状態、SPのオーラすごい)
・入試(→今年の修士入試は過去最多レベルの受験者数。ぜひ来年度以降の受験もご検討ください)
・日本人インターンの受入(→他大学の目線から研究科を考える良い機会)
・EXPOweek(創造的復興)シンクロイベントの開催(→同窓生との交流の機会にも)
・夏休みも通常運転のゼミ+通常以上の外部業務 (→やはり業務減らそう)
・相次ぐ家電の故障(暑さのため?)+万博からの家族の体調不良(熱中症)
  (→家族の健康が一番)

と、一つ一つは大したことは無いのですが、同時並行になることで、元々の少ない頭のメモリを圧迫する感じで、あっという間に時間が過ぎていきました。

本来やっておくべき仕事で手を付けられていないものがあったりとか、いろいろご迷惑をおかけしておりますこと、お詫び申し上げます。

ただ、久しぶりの英語講義やドクター受験した学生が無事合格したりとか、インターンの学生の前向きな姿勢にこちらが学ぶことが多かったり、EXPOweekでは卒業生の言葉に改めて初心に返る機会を頂いたりと、大変充実した時間でした。

昨日26日は、兵庫県立大の「価値共創シンポジウム」(以前の「知の交流シンポジウム」)というイベントに出席しておりました。
私は学生のポスター発表のおまけみたいな感じだったのですが、たこ足キャンパスの県立大にとっては、他のキャンパスの先生方の活動を知ったり、交流できる、とても貴重な機会でした。ポスターセッションだけでも、多くの教員が参加した方がよいし、もっと広い会場でやっても良いのかも。

こんなことをしているうちに10月からは授業が始まりますので、学生の皆さんとお会いできる機会を楽しみにしております。

2025年8月12日火曜日

学生と共著の査読論文が公開されました

 2024年3月に博士前期課程を修了したユン ソナさん(韓国からの留学生)との査読論文が、災害情報学会のサイトに公開されていました。

紅谷昇平・ユンソナ「日本の大学における留学生を対象とした防災対策の取組実態」
学会誌「災害情報№23」1月公開版
http://www.jasdis.gr.jp/04paper/index.html

どなたでも、上記リンクからpdfで見ることができます。
1月発行予定が、後にスケジュールがどんどんずれていたのですが、安心いたしました(^_^)。

この論文、大学における留学生の防災対策を取り上げたもので、最終的に提出論文を取りまとめた私が第一著者になっていますが、ベースはユンさんの修士論文なので、全体の貢献度としては共同筆頭著者に近い感じです。

ユンさんは、研究にかなり苦労されていたのですが、最終的には、留学生らしい視点の入った素晴らしい修士論文を書き上げられました。


実は、ユンさんは修士論文の発表のプレゼンテーションが準備不足で、一部の教員からは厳しいコメントもありました。
ただ、指導教員としては
「本当はレベルが高い研究なのに、プレゼンテーションだけで判断されて、論文本体には目を通してもらえていないんだろうなぁ」
と残念に思っておりました。
(もちろん、プレゼンテーションの準備不足は、教員と学生の責任なので、他の先生の評価は仕方ないものです)


今回、査読論文として世に出たことで、ユンさんの修士論文の素晴らしさを広く伝えることができ、ようやく指導教員としての責任を果たすことができました。


また、神戸大のいた頃、留学生の方から
「日本人学生に比べて、留学生の災害時の安全対策が軽視されているのでは」
と課題提起されたことがありました。
その想いに応えられたという意味でも、一つ肩の荷が下りました。

この論文が、全国の大学で、留学生の防災対策を充実させるきっかけになってほしいと願っています。
(国際化の指標のため、積極的に留学生を集める大学が増えていますが、来てくださった留学生に、高いレベルの授業や安全・快適な学生生活を享受してもらって、卒業してもらうところまでが大事です)

2025年7月29日火曜日

7/27(日)オープンキャンパスを開催いたしました

 7月27日、私が勤務している兵庫県立大学大学院減災復興政策研究科のオープンキャンパスを開催いたしました。例年にも増して、今回はたくさんの方(20名くらい)においでいただき、大盛況でした。おいでくださった皆様、準備をしてくださった先生方、本当にありがとうございました。

来て下さった方には、教員紹介や個別相談の時間に、いろいろお話はさせていただいたのですが、オープンキャンパスに来れなかった受験希望者もいらっしゃると思いますので、こちらの方にも少し追記しておきます。
(微妙な話もありますが、公開情報から分かる範囲で書いておきます)

■減災復興ガバナンス領域について

・うちの研究科には3つの領域があり、私は「減災復興ガバナンス領域」に所属しています。オープンキャンパス当日に説明したスライドの一枚目と、私の研究紹介の部分をアップしておきます。

・なお、現在、領域長である青田良介先生は、今年度末でご退官予定です。ただし、現在、後任の先生を公募中ですので、来年度も、基本的には今年度と遜色のない教育体制が維持される予定だとお考えください。



■入試について

・募集要項や過去の小論文入試問題はこちらをご覧下さい。
・募集人員は12名(推薦入試を含む)です。合格者に関する上記リンクのHP掲載期間が終わっていたので、ここでは人数は明記いたしませんが、推薦入試の合格者数によって一般入試の合格者数も変わってきます。
・一般入試だけで12名募集する訳ではないので、ご注意ください。

■他の大学院について
・オープンキャンパスへの参加者には、ぜひ私たちの大学院を受験していただきたいのですが、個別相談の中で、他の大学院についても説明することがあります。
・その理由として様々ですが、例えば、「その学生さんが学んでみたい学問分野については他の大学院の先生の方がマッチしている場合」、「通勤・通学環境などで他の大学の方が適している場合」、「受験資格審査(大学卒でない場合でも、実務実績・研究実績などを考慮して、大学院受験を認めるかどうか審査すること)の基準が大学によって異なるので複数の大学を候補に考えて置いた方がよい」、「優秀な方でも定員の関係で不合格になる場合があるため他の大学院も受験候補として調べておいた方がよい」などです。
・防災業界全体として、優秀な人材を確保し、育てていくことが大切だと思っていますので、第一希望が兵庫県立大でない場合でも、ぜひお気軽に相談してください。

■兵庫県立大学大学院減災復興政策研究科の強み、弱み
・これまでの経験では、関西大学大学院社会安全研究科や京都大学防災研究所(情報学研究科)、あるいは専門分野によって神戸大学工学研究科や、私の専門分野だと関関同立の政策系の研究科と比較されている学生が多い印象があります。
 
・修士課程(博士前期課程)については、減災復興政策研究科は、減災復興に関する多様な分野のコースワークの授業があることが強みです。うち以外だと、関西大学の社会安全研究科も同じような強みがあると思います。
・減災復興に関するいろいろな教員がいることで、入学時から研究したいテーマが変わった場合でも、他の先生のゼミに移ることで、異なるテーマに取り組みやすくなります。ゼミはM1の4月に希望を出しますが、途中で変更される方も毎年1名くらいいらっしゃいます。
(ゼミ配属の時期や考え方は、「大学院は専門分野の研究をするところ」という理工系カルチャーと、「まずはコースワークで基礎を固める」という社会科学系カルチャーとで違いがあり、学際系領域ではバランスが難しいところです)
 
・もう一つの強みは、県民を対象とした学費無償化です。他大学からの進学希望者に話を聞くと、やはり学費無償化を挙げる方が一定数いらっしゃるので、大きなファクターだと感じます。
・ちなみに関関同立と兵庫県立大との比較でいうと、授業料無償化の対象でない方(兵庫県民以外、あるいは社会人学生)については、関学・同志社・立命とはあまり入学金+授業料の負担は変わらないと思います。これは、私立大学が、大学院については授業料を学部よりも減額しているからです。関大は、残念ながら関関同立では最も授業料が高かったのですが、いずれ他の三大学に追随するのではないかと予想しています。「国公立の方が授業料が安い」というのは、大学院については通じなくなってきています。
 
・公務員やライフライン系企業に就職を希望する場合、「大学院で防災を学んでいます」というのは、珍しい専攻なので、企業や自治体側の反応がよいらしいです。最終的には個人の能力になるとは思いますが、つかみとしては有利なのかもしれません。
・就職実績は、ホームページの右側上部の「パンフレット」に記載されていますが、今確認すると、少し古いパンフレットでした。最新の就職実績は、オープンキャンパスで説明しており、webもいずれ新しいパンフレットに差し替えられるのではないかと思います。

・博士後期課程に進学して、研究者を目指される方の場合、大学・大学院の名前よりも、その分野の第一人者である研究者のゼミで指導を受けたことの方が重要です。修士+博士だと5年かかるので、5年後までその先生がいらっしゃるのかどうか、その先生のご年齢を確認しておくことも必要です。
 
・社会人学生で仕事と学業を両立する場合、「どれだけ通学しなければならないのか」も大切なポイントです。減災復興政策研究科は、博士前期課程(修正課程)は、平日昼間に授業があるため、社会人の方はなかなか両立に苦労されていますが、長期履修制度(2年間の学費で、最長4年まで在籍できる)があるので、それを利用して、少しずつ授業をとっている方もいらっしゃいます。一方、他の大学では、夜間や土曜に大学院の授業を開講しているところもありますし、オンライン対応している先生がいらっしゃるところもあるようです。この辺の情報も、入学前にしっかり調べておくと良いでしょう。

この他にも、何かご質問などがありましたら、私でも、他の先生でもお気軽にお問い合わせください。

2025年7月15日火曜日

三和総研(UFJ総研→現・MURC)のOB・OGによる同窓会

 週末、社会人として最初に働いていた三和総研(UFJ総研→現・MURC)のOB・OGによる同窓会がありました。

経営コンサル系の方が多く、私のいた公共政策系の方は少なめではありましたが、仕事や飲み会でお世話になった方々にお会いでき、とても懐かしい時間を過ごすことができました。
幹事をしてくださったTさん、ありがとうございました。
当時の三和総研という会社は、勤務時間についてはブラックなところはありましたが、明確な理念(「ヒューマニズムに立脚した、ロマンティシズムとリアリズムの両立」。内部的には、「自由と自己責任」もよく言われました)があり、今、思い出しても先輩・同期・後輩に恵まれて、素晴らしい職場でした。
入社当時の松本会長や山本社長のお話も久しぶりにすることができました。新入社員の時から尊敬できるトップの下、仕事が出来たことも良い経験でした。
当時、大学の指導教員の三村先生がご退官だったので都市工のドクター進学という道もあったのですが、研究者になった今でも、結果的には三和総研が良い選択だったと思います。
たくさんのことを学ばせていただいたので、その恩返しも、学生や若い研究者・専門家に方にしていかなければと意を新たにいたしました。
あと、大学の先生になったOBOGが何名もいらっしゃって、OBOGのお子さんが学生というケースが出てきているようで、その結果、
「子供が、(OB・OGの)●●先生は□□や、と言っとったで」
という赤裸々トークがされていて、大学教員的には冷や汗ものでした。
大学教員になったOBOGの皆さん、気を付けましょう😁


2025年7月4日金曜日

大学ランキングと兵庫県立大学

  3日ほど前にyahooのニュースで、CWUR 2025という大学ランキングのニュースが流れていました。 

 世界大学ランキングとしては、イギリスのTHEやQS、旧・上海交通大学(今は上海ランキングと名前が変更)のランキングが有名ですが、CWURは聞いたことがありませんでした。調べてみたら、サウジアラビアの機関がつくったランキングらしいです。

世界大学ランキング(Wikipedia)

 Wikipediaをみると、今は、けっこういろいろな大学ランキングがあるのですね。日本も、英語圏のランキングに縛られず、「母国語で教育ができている」というような指標を追加した独自の大学ランキングをつくれば良いのに、と思います。


 さて、兵庫県立大学は、前身の神戸商科大学、姫路工業大学は歴史ある大学ですし、兵庫県立看護大学も国公立初の看護単科大学で、それぞれ全国でも有名でした。今も富岳、ニュースバル、西はりま天文台のような特徴ある施設や、防災、園芸、コウノトリなど個性あるテーマも扱っていて、とても良い大学です。分野によっては、旧帝大クラスを超えるような成果も出しています。
 にも関わらず、大学ランキングは弱い傾向があります。統合してできた新しい大学というのも、影響しているのかもしれません。ついでにランキングを調べてみると、

 先ほどのCWURでは、兵庫県立大は1104位(日本の大学で37位)。

 THEの世界大学ランキングだと1501位台。

 同じくTHEの日本大学ランキングだと84位。(ベネッセと協力して作成したもの)

 上海ランキングARWUQSには、入っていませんでした。


 日本の高校生は、あまり世界大学ランキングは気にしないと思いますが、留学生は気にしていると、神戸大学(国際協力研究科)時代に耳にしました。 データを上手くそろえて、各機関に働きかけると、兵庫県立大はもっと上位にいくか、あるいは少なくとも名前が上がるポテンシャルはあると思います。

「大学と防災教育 兵庫県立大学防災教育研究センターにおける10年の実践」の前書きと後書き

 これまで、兵庫県立大学の防災教育研究センターがなくなったことについてブログに書いたことがあって、その際防災教育研究センター設立10周年を記念して出版した「大学と防災教育 兵庫県立大学防災教育研究センターにおける10年の実践」(神戸新聞総合出版センター、2022年3月発行、私が編集代表を務めました。兵庫県内全高校に配付。)を紹介したことがありました。

 私が設立に深く関わったのは大学院・減災復興政策研究科の方で、防災教育研究センターについては、既にできあがった組織・活動に後から参加させていただいたというような関係でした。
 そんな私でも、以下のような感想を持つくらい素晴らしい組織だったという記録として、
前書きと後書きを紹介しておきます。

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はじめに

 皆さんは「防災」や「教育」と聞いて、どんなイメージを持つでしょうか?

 例えば、「防災」は自衛隊や消防士の活躍する姿や避難所の様子、あるいは学校の避難訓練やダム・堤防など?「教育」は学校の教室で座って勉強すること?人によりイメージは違うと思いますが、防災も教育も、マジメでかたい印象があります。この本は、そんなイメージを少し変えてみたくて、つくりました。

 兵庫県立大学は、公立大では全国有数の規模を持つ総合大学です。阪神・淡路大震災(1995年)を経験した被災地の大学として、前身の神戸商科大学、姫路工業大学、兵庫県立看護大学の時代から、様々な復興支援や防災活動に取り組んできました。本書は、2011年に設立された防災教育センター(現・防災教育研究センター)が、10年間にわたって、どのように大学生や地域・社会と共に防災教育やボランティア活動等を実践してきたのか、その活動を取りまとめたものです。次のような方々に、ぜひ読んで欲しいと思っています。
・社会や気象現象などに関心があり、防災を学んでみたい大学生や高校生。
・日々、悩みながら防災教育を実践している全国の大学関係者。
・大学生や教員と何か一緒に連携・協働してみたいと考えている地域や学校、自治体、企業、NPO等の方々。
・これまで防災教育研究センターの活動を様々な形で支えてくれた方々。
・大学で防災を学んだ頃の初心を振り返りたい卒業生・修了生。  など

 本書を通して、大学の「防災教育」は多様で自由で、時に楽しく時に厳しく、そして思いやりと責任が求められる成長のプロセスだと、多くの方に知っていただき、我々の学びや活動の輪に加わっていただけることを願っています。

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後書き

 私が防災教育研究センターに着任したのは2016年4月です。着任前からセンターについては知っていましたが、同じ組織に入って改めて「設立当時からの先生方は、とんでもなくすごい防災教育活動をしている」と感じました。防災に秀でた人材の育成に加えて、人間教育としても素晴らしいもので、新鮮な衝撃を受けました。
 前身の防災教育センターの設立から10年が経ち、当初から活動の中心であった森永速男先生がご退官されようとする今、節目としてこれまでの素晴らしい取組や思考の過程を記録し、同じ防災教育に取り組む大学・教育関係者、防災関係者、そしてセンターの活動を支えて下さった方々にお伝えしたいと考えていたところ、本書の出版という貴重な機会に恵まれました。
 編集しながら実感したのは、センターの活動は、阪神・淡路大震災を経て兵庫県民が育んできた重層的な防災文化に支えられていることです。県立大学なので県民からの税金で支えられているのはもちろんですが、それ以上に「大学での防災教育は大切だ」という有形無形の後押しを、いつも心強く感じます。我々の防災教育の取組は、阪神・淡路大震災以降、たゆまず防災や被災地支援に取り組み続けてきた兵庫県民の成果の一つだと言えるでしょう。
 さらに、フィールド学習を重視するセンターの活動は、県内のみならず全国の方々のご支援・ご協力が不可欠です。大変な状況でも我々を受け入れてくださった被災地の方々、全国の防災関係者や地域・学校等で活動されている方々、そして本学関係者を含めたお世話になった全ての皆様に対して、改めて心より感謝申し上げます。本書にてセンターのこれまでの活動を報告させていただくと共に、多くの方から託された想いに応えられるよう、今後も努力して参りますので、引き続き叱咤激励やご指導・ご支援をよろしくお願いいたします。
編者 紅谷昇平
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2025年6月30日月曜日

今年度のゼミ、今月の社会活動など

 6月、一度も更新しないままになってしまいそうなので、近況など少し。

・昨年に引き続き、今年も洲本市の防災訓練を共同で実施させていただきました。以前、洲本市が研究科に学生を派遣してくださったご縁で、大学院生も参加する形で、災害対策本部運営訓練を実施しています。昨年度は南海トラフ地震、今年度は水害を想定し、市長や幹部職員を対象とした訓練を実施しています。学生にとって、貴重な学びの機会をいただき、ありがとうございます。



・今年はM1のゼミ生が1名加わり、紅谷ゼミとしては、ドクター1名、修士2名の3名体制です。とはいえ、全員社会人学生なので、個別ゼミ×3という形で進めています。テーマは、福祉系の方が多くて、本来の私の専門とはズレているのですが、社会人の方は「福祉のことは仕事で分かっているので、自治体や企業などの取組や考え方を参考にしたい」と私のゼミを希望してくれているようです。人数が少ないと、ていねいな指導ができる良さはあるのですが、もう少し突き放して自分で考えるクセを付けてもらった方がよいのか、悩むときもあります。ちなみに、紅谷ゼミのルールとしては、「音信不通にならない」というのが唯一最大のものです。

・7月に推薦入試(受験申請済み)、9月には一般入試があります。入学を希望される方は、9月入試はまだ間に合いますし、7月にはオープンキャンパスもありますので、ぜひおいでください。

・6月は時間が過ぎるのが早かった印象があるので、「何をしていたんだろう」と思い返せば、学生さんにフィードバックを返すレポートや課題が多くて、それに結構な時間を使ったように思います。短いレポートでも、出典の確認をしたり、文章の修正をしたりしていると、一人15~30分くらい直ぐに経ってしまうのですが、学生の反応を聞くとやって良かったと思いますし、学習効果もそれなりにあるのではないかなぁと期待しています。

2025年5月25日日曜日

地域安全学会、及び6thACUDRで発表しました

 5月16日~17日にかけて、人と防災未来センターとJICA関西にて、地域安全学会・春季発表大会と、地域安全学会がホストとなった国際会議6th Asian Conference on Urban Disaster Reduction (ACUDR) が開催されました。


ゼミ生が両方ともに論文を出し、発表を頑張っていたのに刺激され、私も両方で発表して参りました。論文は梗概集に掲載されていますので、発表資料をリンクしておきます。


地域安全学会

紅谷昇平「自然災害時における応援職員派遣体制の効果的な構築と準備に向けた考察」

・2月に総務省の調査を受けたコンサルさんからヒアリングを受けたので、その際、お話した内容を基にした報告、提案です。(データに基づいた「研究」ではないです。)


ACUDR

Shohei BENIYA, Shelter Utilization and Management in the Aftermath of the Great Hanshin-Awaji Earthquake. Proceedings of the 6th Asian Conference on Urban Disaster Reduction, Institute of Social Safety Science, Kobe City, Japan

・こちらは、30年前の阪神・淡路大震災の際、修士論文の調査で実施した避難所調査の結果のダイジェスト版です。

(プライバシーなども気になってあまり外部に公表しておらず、特に写真については修士論文中で一枚も使っていないのですが、30年経ったことだし、30年記念の学会ならそろそろ公開してもよいのだろうと思ってポスターを作製しました。でも解像度が低くて、よくわかりにくいですね。時間がなく、図も日本語のままで申し訳ありません。)


今回、阪神・淡路大震災30年の記念ということで、両大会が神戸で開催されました。

参加者数が、おそらく過去最多の大盛況だったので、運営側で頑張ってくださった方々は、本当に大変だったと思います。心より感謝いたします。

とても素晴らしい学会大会と国際会議になりました。


From May 16th to 17th, the ISSS Spring Conference and the 6th Asian Conference on Urban Disaster Reduction (ACUDR) hosted by ISSS, were held at the Disaster Reduction and Human Renovation Institution and JICA Kansai.

Inspired by my seminar students' enthusiastic efforts for both events, I also decided to present at both conferences. My papers are included in the abstract collection, and I've linked my presentation materials here.


This time, both conferences were held in Kobe to commemorate the 30th anniversary of the Great Hanshin-Awaji Earthquake.

The number of participants was likely the highest ever, making it a huge success. I imagine the organizers who worked so hard behind the scenes had an incredibly tough time. We greatly appreciate their efforts.

2025年5月9日金曜日

分担執筆した書籍「インフラ・レジリエンス」が出版されました

 

中央経済社から「インフラ・レジリエンス 暮らしと環境を守るために」が出版されました。
私も「第3章 自然災害へのレジリエンス」を分担執筆しています。主に電力についての最近の被災例やカスケーディング・ディザスターの考え方、需要者と供給者のコミュニケーションの重要性などについて説明しています。

減災復興政策研究科からは、馬場美智子先生も「第9章 道路交通と災害時の緊急輸送」をご執筆されています。こちらも、災害時の物流についてまとまった、大変勉強になる内容でした。

工学系だけでなく、社会科学系の研究者も参画しているインフラ関係の防災についての本は、意外に少ないように思います。 どの先生の原稿も、大変興味深いものでしたので、ご関心ありましたら、ぜひお手にとってご覧下さい。

編集ご担当の草薙先生、橋本先生、貴重な機会をいただき、ありがとうございました。

また、中央経済社の浜田様の原稿チェックは丁寧で素晴らしく、大変勉強になりました。経済系の本を出すんだったら、中央経済社様から出したいと思いました。




2025年4月29日火曜日

9月のインターンシップ(大学院体験)を募集しています

 数年前から、減災復興政策研究科では、学部生を対象にしたインターンシップを募集しています。今年度も募集が始まりました

企業のインターンシップはよく聞きますが、大学院でインターンシップというのは珍しいかもしれません。大学院の授業や研究を1週間(5日間)体験してもらうことが目的で、所属する大学や高専によっては、単位として認定される場合があります。

  

このインターンですが、大学院側にとっても、参加者に関心をもってもらい、受験生の増加につなげたいという狙いがあります。

そこで、今年度、私が所属している減災復興ガバナンス領域(青田、澤田、紅谷)では、社会人向けに、「部分参加可能なインターン」のプログラムを設けました。通常1週間のインターンのプログラムのうち、1日や2日だけでも参加可能です。
「特定の領域や教員に絞った、拡大型のオープンキャンパス」みたいな感じです。

最近、社会人学生の応募が減ってきているので、ぜひ入学者を増やしていきたいと思っています。

ご関心ある方は、ぜひご応募をお願いいたします。
減災復興政策研究科のインターンの告知ページのインターンシップ一覧(別紙1)というところに詳しく書いています。

お待ちしています!!


2025年4月22日火曜日

タイトルと装丁が似すぎてるかも!?

4月は、新入生(M1)のゼミ選びの季節です。私の研究科でも、教員が公開ゼミを開催し、学生に研究内容やゼミについて説明が行われています。 

今年度はM1担当の教務委員にもなっているので、自分のゼミだけでなく、他の先生の研究内容などゼミ選びの考え方や参考資料も紹介しようと、研究科で出版した書籍などを取り出してみたのが、下の写真です。


何か気付かれましたか?
ブログの写真は小さいので分かりにくいですが、3冊が兵庫県立大の本、1冊が神戸大の本です。どれが神戸大の本でしょうか?

下の2冊を見てください。一見、帯だけが違う同じ本のように見えませんか?

実は左下が神戸大の本。「震災復興学」(神戸大学震災復興支援プラットフォーム 編)で、阪神・淡路大震災20周年の2015年10月発行。神戸大学で働いていた時で、私も「被災者の生活再建の課題」という部分を担当執筆しています。

よく似た表紙の右下は、「減災復興学」(兵庫県立大学大学院減災復興政策研究科 編)で、阪神・淡路大震災30周年の2025年1月発行。現在の研究科の教員が、自分の専門分野を紹介するために書いた書籍で、私は「自治体・企業の災害対応体制の進展と課題」という章を担当執筆しています。

※どちらも私が原稿を書いていることだけは共通してます(笑)

 
ミネルヴァ書房さんは、こういう感じの表紙が多いので仕方ないのですが、タイトルも写真も帯も、装丁が似過ぎている。。。。
間違って買う人が出てしまいそうなので、後から出した県立大学側が、ちょっとテイストを変えた方が良かったですね💦

 

なお、上の2冊ですが、右上は、研究科設立時の教員が全員で執筆した「災害に立ち向かう人づくり 減災社会構築と被災地復興の礎」2018年5月発行です。やはりミネルヴァ書房さんから出版。

左上は、兵庫県立大学の防災教育研究センター設立10周年を記念して出版した「大学と防災教育 兵庫県立大学防災教育研究センターにおける10年の実践」2022年3月発行で、神戸新聞総合出版センターさんです。こちらは、私が編集を担当し、上記よりも、もう少し読みやすい一般向けテイストにしています。
(まさか、この2年後、防災教育研究センターが廃止になるとは夢にも思いませんでした。)


と、いろいろ書きましたが、兵庫県立大学の防災教育や、減災復興政策研究科の設立の経緯、教員の研究内容などを知りたい方は、ぜひご一読ください!
ゼミ選びの参考にも最適です。

出版したばかりの「減災復興学」は、今、各教員のところにも何冊か配られているので、ゼミに入ると言ったら、学生さんは1冊もらえるかもしれません!?

2025年4月18日金曜日

防犯防災総合展2025でお話してきました

昨日は、防犯防災総合展2025で1時間のセミナーをしてきました。
同じ会場で前後に講師をされた河田先生、宮野先生ともお話ができ、楽しい時間でした。
また、昔働いていたシンクタンクの方も参加してくださって、セミナー後、15分くらい情報交換をさせていただき、私の知らない現場の情報を教えていただきました。
展示や参加者が多様で、学会とはまた違う面白さがありますね。

こちらのセミナー、以前からよくお声かけいただいていたのですが、ここ数年はシンポジウムのコーディネーターを仰せつかることが多く、講師をしたのは3年か4年ぶりのように思います。(コロナ後、初めてかも)

テーマは「「想定外」のない防災対策を目指して」で、以前こちらのブログにも書いた内容です。概要を知りたい方は、以下のNETTの原稿をダウンロードしてご覧下さい。(以前のブログは、リンク切れしていました)

「想定に頼らない防災対策を目指して」

会場は、最初は6割くらいの埋まり方だったのですが、だんだんと入口からのぞいていた方が入ってくださって、最後には立ち見が出るほどの満員でした。
興味を持った方がだんだん入って増えていくというのは、あまり経験がなく、ちょっと驚きました。阪神・淡路大震災から東日本大震災、熊本地震、令和6年能登半島地震につながる大きな反省・教訓のテーマで、準備にも時間をかけたので、手ごたえを感じ、うれしかったです。

その後は、宮野先生のセミナーを聴講させていただきました。災害リスクと生活リスクを比較されたグラフを見ながら、災害リスクのあるエリアの土地利用規制というのは、他のリスクと比べて、やはり慎重に取り組むべきだと改めて思いを強くしました。


余談ですが、宮野先生は大阪公立大学を1年前にご退官されたので、改めてご連絡先をお聞きしたところ、「メールは、大阪公立大学時代のものが、そのまま使えます」ということでした。

兵庫県立大学だと「退職後、数か月でメールが使えなくなった」とか、「卒業したら、即、4月からメールが使えなくなった」という話を聞くので、この辺は大阪公立大学を見習った方が良いのではと思います。同窓会対応で、卒業生に生涯メールのアドレスを付与する大学も増えてきていますので。
(ちなみに前任校(神戸大)は、退職後1年間以上は、メール転送をしていただけていました。任期付きなど安定しない身分だと、移動してすぐにメールが使えなくなると、大学のメールアドレスを使うのを控えてしまうんです。)

2025年4月15日火曜日

兵庫県立大にソーシャルデータサイエンス研究所ができました

 

兵庫県立大の政策科学研究所が、この4月から「ソーシャルデータサイエンス研究所」に変わったようだ。 政策科学研究所と言えば、名誉教授の加藤恵正先生が、本研究科の前に所属されていたところである。社会情報科学部をつくったことを考えると、確かに研究所があっても良いと思うのだが、防災教育研究センターの廃止の件もあるので、組織や名前が次々に変わっていくと、同窓生の帰属意識や大学のアイデンティティが固まらないのではなかろうかと少し心配である。(一貫性がある方が、信用が高まるというデータがある) 時代の流れに合わせて変わっていくこと、長く積み重ねて伝統を築いていくこと、どちらも大切であろう。

私がシンクタンク出身ということもあって、大阪、京都に比べると、兵庫県の大学は政策系が弱い(関学の総合政策学部はあるが、実務者教育には立地が弱い)ので、政策科学研究所をもっとアピールする方法もあったように思う。

1年ほど前に兵庫自治学会もなくなり、公務員の研修や教育、政策シンクタンク機能が県としてなくなってきている。神戸防災キャンパスの6Fに、ひょうご震災記念21世紀研究機構があり、ここがシンクタンク機能を担っているのだが、前身となった3つのシンクタンクと比べると、今の体制は弱いし、将来どうなるか不安もある。(ちなみに、この前身の3つのシンクタンクの統合のコンサルティングを、昔、仕事としてやっていました。)

 前にもブログに書いたと思うのだが、京都と比べると、兵庫県内は政策系はブルーオーシャンである。神戸大、兵庫県立大は、あまり興味がなさそうなので、王子公園にできる関学の新キャンパスが、この辺に目を付けて、政策シンクタンク+人材育成機関として県や市町と連携協定を結んでいったりすると、自治体関係者には喜ばれると思う。

 とまあ、個人的な感想はいろいろあるのだが、それはさておき、兵庫県立大に新しくできた研究所ですので、ぜひ皆様、お見知りおきをよろしくお願いいたします。

 ソーシャルデータサイエンス研究所


2025年4月7日月曜日

新年度が始まりました

 4月4日に入学式があり、減災復興政策研究科にも、博士前期課程(修士課程)14名、博士後期課程2名の学生を迎えました。ご入学された皆様、おめでとうございます!
(桜も、なんとか入学式までもってくれました)

入学者の自己紹介を聞いていると、関心あるテーマの幅が広く、うちの研究科らしいなと思いました。今年度は、修士1年担当の教務委員をしているので、M1の方とは顔を合わせることが多くなりますので、よろしくお願いいたします。

生成AIが発展し、AGIまであと数年と言われる中、学生に求められる能力も変わってきます。分析よりも、社会の問題発見や関係者の組織作りや合意形成などが、人間の仕事として残ってくるのではないでしょうか。社会だけでなく、大学院で教える内容や育てる人材についても変革期にありますが、その時代の最中にいられたことは幸せだと思います。教員としても良い環境を整えていきたいと思いますので、学生の皆さんは、ぜひ研究も学生生活も楽しんで、たくさんの想い出をつくっていってください。

2025年3月25日火曜日

ご卒業、おめでとうございます!

 3月25日は、学生の卒業式(修了式)でした。ご卒業された皆様、おめでとうございます!

今年の修士2年生は優秀な学生が多く、修士論文の公開発表会でも安心してみることができました。優秀修士論文賞や総代を選ぶのもとても難しく、選ばれた方以外でも、同じくらい素晴らしい学生さんが何名もいらっしゃいました。

私のゼミからは、社会人で3年かけた学生さんが無事、素晴らしい修士論文を書いて卒業されました。4月からは、博士後期課程に進学されますが、ゼミの指導教員が私から阪本先生に交替になります。
その学生さんは、修士入学時点から関心あるテーマが複数あって、当時から、
「一つのテーマを修士でやったら、ドクターはテーマや指導教員を替える方法もありますよ」
と話していたので、実は既定路線です。博士後期課程では災害情報をテーマに、新たに研究を進めていただきます。修士論文も、博士論文と見間違えるようなレベルで、2~3本の査読論文になりそうなので、博士後期課程でも、きっと素晴らしい研究をされることでしょう。

また夜は、卒業生との祝賀会だったのですが、学生から「紅谷先生は怖そうと言われてますよ」というようなことを言われ、これもちょっとした驚きでした。目が悪いので、離れていると気付かないことがあったり、あまり愛想がよくないようなので、気を付けようと思います。

また、私のゼミはドライで、飲み会などがほとんどないんですね。これも学生から突っ込まれました。これも理由があって、コロナだったり、学生に「飲み会、やる?」と聞いたら、「やらなくていい」という返事だったり。まあ、50を超えたおっさんと飲み会したり、ご飯食べても、学生さんも正直楽しくないやろう!?とは思います。教員が、「自分は学生に受け入れられている」とか「慕われている」と思ってしまうことの方が、ハラスメントの第一歩だし、大学教員は成績や卒業を決めたりするのが仕事なので、一定の距離感も大切だと思っています。

そういう意味では、卒業してからの方が気楽なので、神戸に来られる際には、気軽にお声かけしてください。

卒業生の皆様の、ますますのご活躍を楽しみにしています。本当におめでとうございます。

兵庫県における防災専門職の導入

我々の大学院学生の主な就職先の一つとして、自治体の公務員があります。 ただ日本では、防災を専門的に学んだからといって公務員試験が有利になるわけでなく、防災部局の仕事も、ジェネラリスト型の公務員(事務職や建設系技術職)が担ってきました。 ジェネラリスト型の職員は、部局横断的な調整を...