我々の大学院学生の主な就職先の一つとして、自治体の公務員があります。
ただ日本では、防災を専門的に学んだからといって公務員試験が有利になるわけでなく、防災部局の仕事も、ジェネラリスト型の公務員(事務職や建設系技術職)が担ってきました。
ジェネラリスト型の職員は、部局横断的な調整を行い、多様な行政課題に柔軟に対応することができるというメリットがあり、また防災部局の経験者を増やすという点でも有利です。その一方で、頻繁な人事異動は課題もあり、防災分野における専門知識や組織的な経験を十分に蓄積することが上手くできていませんでした。
1995年の阪神・淡路大震災、2011年の東日本大震災、そして2018年の西日本豪雨災害などを経て、日本では、自治体内部における防災の専門的能力を育成・維持することの重要性が、ますます認識されるようになり、一部の自治体では、防災専門職の導入が始まっています。
広島県は、日本で初めて防災専門職を設置した自治体であり、2023年度採用から「防災職」の募集を開始しました。続いて大阪府吹田市では、基礎自治体としては初めて防災専門職を導入し、2024年度実施の採用試験において、「災害マネジメントコース」での採用を開始しました。
そして、2026年度の採用試験から、ようやく(!?)兵庫県でも防災専門職の採用が開始されました。(うちの大学院の学生にとっても朗報です!)
https://web.pref.hyogo.lg.jp/ji01/pc01_100000025.html
とは言え、導入した自治体でも、採用する人数は極めて限定的(数名程度)で、防災部局に何十人もいるなかで、防災専門職の職員は限定的でしょう。ただ、それでも、コアとなる専門知識、経験を有する職員がいることは、災害時にはとても心強いと思います。
この流れが、日本のより多くの自治体において、さらにはライフライン企業などにおいて、防災専門職の採用・育成につながり、組織の災害対応の教訓が、受け継がれていくことを期待しています。そして、我々の大学院の卒業生が、そのような場で活躍してくれるようになることでしょう。
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