2025年4月22日火曜日

タイトルと装丁が似すぎてるかも!?

4月は、新入生(M1)のゼミ選びの季節です。私の研究科でも、教員が公開ゼミを開催し、学生に研究内容やゼミについて説明が行われています。 

今年度はM1担当の教務委員にもなっているので、自分のゼミだけでなく、他の先生の研究内容などゼミ選びの考え方や参考資料も紹介しようと、研究科で出版した書籍などを取り出してみたのが、下の写真です。


何か気付かれましたか?
ブログの写真は小さいので分かりにくいですが、3冊が兵庫県立大の本、1冊が神戸大の本です。どれが神戸大の本でしょうか?

下の2冊を見てください。一見、帯だけが違う同じ本のように見えませんか?

実は左下が神戸大の本。「震災復興学」(神戸大学震災復興支援プラットフォーム 編)で、阪神・淡路大震災20周年の2015年10月発行。神戸大学で働いていた時で、私も「被災者の生活再建の課題」という部分を担当執筆しています。

よく似た表紙の右下は、「減災復興学」(兵庫県立大学大学院減災復興政策研究科 編)で、阪神・淡路大震災30周年の2025年1月発行。現在の研究科の教員が、自分の専門分野を紹介するために書いた書籍で、私は「自治体・企業の災害対応体制の進展と課題」という章を担当執筆しています。

※どちらも私が原稿を書いていることだけは共通してます(笑)

 
ミネルヴァ書房さんは、こういう感じの表紙が多いので仕方ないのですが、タイトルも写真も帯も、装丁が似過ぎている。。。。
間違って買う人が出てしまいそうなので、後から出した県立大学側が、ちょっとテイストを変えた方が良かったですね💦

 

なお、上の2冊ですが、右上は、研究科設立時の教員が全員で執筆した「災害に立ち向かう人づくり 減災社会構築と被災地復興の礎」2018年5月発行です。やはりミネルヴァ書房さんから出版。

左上は、兵庫県立大学の防災教育研究センター設立10周年を記念して出版した「大学と防災教育 兵庫県立大学防災教育研究センターにおける10年の実践」2022年3月発行で、神戸新聞総合出版センターさんです。こちらは、私が編集を担当し、上記よりも、もう少し読みやすい一般向けテイストにしています。
(まさか、この2年後、防災教育研究センターが廃止になるとは夢にも思いませんでした。廃止を決めた人には、私の想いのこもった前書きと後書きだけでも、読んで欲しかった。)


と、いろいろ書きましたが、兵庫県立大学の防災教育や、減災復興政策研究科の設立の経緯、教員の研究内容などを知りたい方は、ぜひご一読ください!
ゼミ選びの参考にも最適です。

出版したばかりの「減災復興学」は、今、各教員のところにも何冊か配られているので、ゼミに入ると言ったら、学生さんは1冊もらえるかもしれません!?

2025年4月18日金曜日

防犯防災総合展2025でお話してきました

昨日は、防犯防災総合展2025で1時間のセミナーをしてきました。
同じ会場で前後に講師をされた河田先生、宮野先生ともお話ができ、楽しい時間でした。
また、昔働いていたシンクタンクの方も参加してくださって、セミナー後、15分くらい情報交換をさせていただき、私の知らない現場の情報を教えていただきました。
展示や参加者が多様で、学会とはまた違う面白さがありますね。

こちらのセミナー、以前からよくお声かけいただいていたのですが、ここ数年はシンポジウムのコーディネーターを仰せつかることが多く、講師をしたのは3年か4年ぶりのように思います。(コロナ後、初めてかも)

テーマは「「想定外」のない防災対策を目指して」で、以前こちらのブログにも書いた内容です。概要を知りたい方は、以下のNETTの原稿をダウンロードしてご覧下さい。(以前のブログは、リンク切れしていました)

「想定に頼らない防災対策を目指して」

会場は、最初は6割くらいの埋まり方だったのですが、だんだんと入口からのぞいていた方が入ってくださって、最後には立ち見が出るほどの満員でした。
興味を持った方がだんだん入って増えていくというのは、あまり経験がなく、ちょっと驚きました。阪神・淡路大震災から東日本大震災、熊本地震、令和6年能登半島地震につながる大きな反省・教訓のテーマで、準備にも時間をかけたので、手ごたえを感じ、うれしかったです。

その後は、宮野先生のセミナーを聴講させていただきました。災害リスクと生活リスクを比較されたグラフを見ながら、災害リスクのあるエリアの土地利用規制というのは、他のリスクと比べて、やはり慎重に取り組むべきだと改めて思いを強くしました。


余談ですが、宮野先生は大阪公立大学を1年前にご退官されたので、改めてご連絡先をお聞きしたところ、「メールは、大阪公立大学時代のものが、そのまま使えます」ということでした。

兵庫県立大学だと「退職後、数か月でメールが使えなくなった」とか、「卒業したら、即、4月からメールが使えなくなった」という話を聞くので、この辺は大阪公立大学を見習った方が良いのではと思います。同窓会対応で、卒業生に生涯メールのアドレスを付与する大学も増えてきていますので。
(ちなみに前任校(神戸大)は、退職後1年間以上は、メール転送をしていただけていました。任期付きなど安定しない身分だと、移動してすぐにメールが使えなくなると、大学のメールアドレスを使うのを控えてしまうんです。)

2025年4月15日火曜日

兵庫県立大にソーシャルデータサイエンス研究所ができました

 

兵庫県立大の政策科学研究所が、この4月から「ソーシャルデータサイエンス研究所」に変わったようだ。 政策科学研究所と言えば、名誉教授の加藤恵正先生が、本研究科の前に所属されていたところである。社会情報科学部をつくったことを考えると、確かに研究所があっても良いと思うのだが、防災教育研究センターの廃止の件もあるので、組織や名前が次々に変わっていくと、同窓生の帰属意識や大学のアイデンティティが固まらないのではなかろうかと少し心配である。(一貫性がある方が、信用が高まるというデータがある) 時代の流れに合わせて変わっていくこと、長く積み重ねて伝統を築いていくこと、どちらも大切であろう。

私がシンクタンク出身ということもあって、大阪、京都に比べると、兵庫県の大学は政策系が弱い(関学の総合政策学部はあるが、実務者教育には立地が弱い)ので、政策科学研究所をもっとアピールする方法もあったように思う。

1年ほど前に兵庫自治学会もなくなり、公務員の研修や教育、政策シンクタンク機能が県としてなくなってきている。神戸防災キャンパスの6Fに、ひょうご震災記念21世紀研究機構があり、ここがシンクタンク機能を担っているのだが、前身となった3つのシンクタンクと比べると、今の体制は弱いし、将来どうなるか不安もある。(ちなみに、この前身の3つのシンクタンクの統合のコンサルティングを、昔、仕事としてやっていました。)

 前にもブログに書いたと思うのだが、京都と比べると、兵庫県内は政策系はブルーオーシャンである。神戸大、兵庫県立大は、あまり興味がなさそうなので、王子公園にできる関学の新キャンパスが、この辺に目を付けて、政策シンクタンク+人材育成機関として県や市町と連携協定を結んでいったりすると、自治体関係者には喜ばれると思う。

 とまあ、個人的な感想はいろいろあるのだが、それはさておき、兵庫県立大に新しくできた研究所ですので、ぜひ皆様、お見知りおきをよろしくお願いいたします。

 ソーシャルデータサイエンス研究所


2025年4月7日月曜日

新年度が始まりました

 4月4日に入学式があり、減災復興政策研究科にも、博士前期課程(修士課程)14名、博士後期課程2名の学生を迎えました。ご入学された皆様、おめでとうございます!
(桜も、なんとか入学式までもってくれました)

入学者の自己紹介を聞いていると、関心あるテーマの幅が広く、うちの研究科らしいなと思いました。今年度は、修士1年担当の教務委員をしているので、M1の方とは顔を合わせることが多くなりますので、よろしくお願いいたします。

生成AIが発展し、AGIまであと数年と言われる中、学生に求められる能力も変わってきます。分析よりも、社会の問題発見や関係者の組織作りや合意形成などが、人間の仕事として残ってくるのではないでしょうか。社会だけでなく、大学院で教える内容や育てる人材についても変革期にありますが、その時代の最中にいられたことは幸せだと思います。教員としても良い環境を整えていきたいと思いますので、学生の皆さんは、ぜひ研究も学生生活も楽しんで、たくさんの想い出をつくっていってください。

2025年3月25日火曜日

ご卒業、おめでとうございます!

 3月25日は、学生の卒業式(修了式)でした。ご卒業された皆様、おめでとうございます!

今年の修士2年生は優秀な学生が多く、修士論文の公開発表会でも安心してみることができました。優秀修士論文賞や総代を選ぶのもとても難しく、選ばれた方以外でも、同じくらい素晴らしい学生さんが何名もいらっしゃいました。

私のゼミからは、社会人で3年かけた学生さんが無事、素晴らしい修士論文を書いて卒業されました。4月からは、博士後期課程に進学されますが、ゼミの指導教員が私から阪本先生に交替になります。
その学生さんは、修士入学時点から関心あるテーマが複数あって、当時から、
「一つのテーマを修士でやったら、ドクターはテーマや指導教員を替える方法もありますよ」
と話していたので、実は既定路線です。博士後期課程では災害情報をテーマに、新たに研究を進めていただきます。修士論文も、博士論文と見間違えるようなレベルで、2~3本の査読論文になりそうなので、博士後期課程でも、きっと素晴らしい研究をされることでしょう。

また夜は、卒業生との祝賀会だったのですが、学生から「紅谷先生は怖そうと言われてますよ」というようなことを言われ、これもちょっとした驚きでした。目が悪いので、離れていると気付かないことがあったり、あまり愛想がよくないようなので、気を付けようと思います。

また、私のゼミはドライで、飲み会などがほとんどないんですね。これも学生から突っ込まれました。これも理由があって、コロナだったり、学生に「飲み会、やる?」と聞いたら、「やらなくていい」という返事だったり。まあ、50を超えたおっさんと飲み会したり、ご飯食べても、学生さんも正直楽しくないやろう!?とは思います。教員が、「自分は学生に受け入れられている」とか「慕われている」と思ってしまうことの方が、ハラスメントの第一歩だし、大学教員は成績や卒業を決めたりするのが仕事なので、一定の距離感も大切だと思っています。

そういう意味では、卒業してからの方が気楽なので、神戸に来られる際には、気軽にお声かけしてください。

卒業生の皆様の、ますますのご活躍を楽しみにしています。本当におめでとうございます。

2025年3月9日日曜日

兵庫県立大学防災教育研究センターと公立大学防災研究教育センター連携会議

 先週、「公立大学防災研究教育センター連携会議」というものが開催されました。これは、10年程前にスタートした取組で、地域に根ざした公立大学が、地域防災を支えていこうというもので、共同での「ぼうさいこくたい」への出展や、大学どうしの情報交換などをしています。

 これまでずっと中核を担ってくださっているのは大阪公立大学の都市科学・防災研究センター(前の大阪市立大学都市防災教育研究センター)さんですが、初代の座長は、当時兵庫県立大の防災教育研究センター長だった室﨑先生が務められていました。設立当初、中心だった大阪市大の宮野先生と、室﨑先生が仲が良かったことと、兵庫県立大の防災の取組が、全国の公立大学でも名が知られ、認められていたという背景があります。

 私が兵庫県立大学に来る前から、県立大の防災教育研究センターの活動は素晴らしくて、その感想は、編集代表をした「大学と防災教育 兵庫県立大学防災教育研究センターにおける10年の実践」(神戸新聞総合出版センター)の後書きにも書いています。

  この本は、センター設立10年の記念で2022年、設立当初からご尽力された森永速男先生がご退官されるので、「この節目に、これまでの活動をまとめて、上手く世代交代していかないと」という想いで出版を提案し、認めていただいたものです。森永先生には、かなり裏話も書いていただきましたし、卒業生へのアンケートでは満足度が非常に高いことなども分かりました。防災教育の参考になる本だったので、県立大の学生募集にもつながるだろうと、兵庫県内の全ての公立高校にも送らせていただきました。


 ・・・と、このように素晴らしい兵庫県立大の防災教育研究センターですが、実は今は存在しません。副専攻に関わる大学全体の組織改編の一貫として、2024年3月、突然組織が変更されました。副専攻の歴史よりも、実は防災教育研究センターの歴史の方が長いですし、2022年に本を編集した際は、全く想像していなかった展開でした。(うちの大学は改革に熱心なので、わりと組織やカリキュラムがよく変わります)

 そして、学防災研究教育センター連携会議にも、2024年4月から兵庫県立大学は、加入対象となる部局がなくなったということで、「部局参加」ではなく、「個人参加」という形になりました。

 公立大学協会にLINKtopos(リンクトポス:全国公立大学学生大会)というのがあって、その大きなテーマが防災だったりするので、兵庫県立大学のパブリシティという点からも、公立大学防災研究教育センター連携会議に部局参加できなくなったのは、とてももったいないですし、今でも兵庫県立大学の防災に関心ある学生さんと、他の公立大学との連携は続いています。

 再び部局参加できるよう全学での防災に関する組織体制についての検討は進められているようなので、「I'll be back!」という気持ちで、もうしばらく個人参加で頑張っていきたいと思います。

2025年3月8日土曜日

研究に関心を持って下さった学生さんとの面談

  今日は、私の研究テーマ(自治体の災害対応)に興味をもって、うちの大学院(兵庫県立大学大学院減災復興政策研究科)の受験を検討したいという学生さんが、土砂降りの雨の中、キャンパスまで来てくれました。

 1時間の予定だったので、大変熱心な学生さんだったので、結局2時間近くお話をさせていただきました。うちの研究科の特徴、良さだけでなく、関西大学の社会安全研究科はじめ、神戸大学、関西学院大学、京都大学、大阪大学、大阪公立大学、龍谷大学、立命館大学、東北大学など、その学生さんが関心ある分野を学ぶ+将来の進路に合いそうな選択肢になりそうな先生方や大学院を、私の知っている限りコメントさせていただきました。

 本来なら「ぜひ、うちの研究科へ!」と熱烈トークすべきなのかもしれませんが、それぞれの大学院に良さもあれば弱点もあるので、「日本全体で防災に関心を持ち、将来の担い手になってくれる人が増えればいい」くらいに思っています。ぜひ良い進路を見つけられることを願っています。

 幸か不幸か今はゼミ生が少なめなので、他大学の方でも、興味のある学生さんは、ぜひお気軽にご連絡ください!

タイトルと装丁が似すぎてるかも!?

4月は、新入生(M1)のゼミ選びの季節です。私の研究科でも、教員が公開ゼミを開催し、学生に研究内容やゼミについて説明が行われています。  今年度はM1担当の教務委員にもなっているので、自分のゼミだけでなく、他の先生の研究内容などゼミ選びの考え方や参考資料も紹介しようと、研究科で出...