研究者の評価には、いろいろな指標があります。
ある先生からは「研究者は、最高の論文のレベルで評価される」と言われたことがあります。量より質、という考え方です。ノーベル賞などをイメージすると分かるとおり、アカデミックな観点からは説得力がある考え方です。
また防災という人の命や生活に関わる研究をしていると、「実社会の役に立つ研究(被災者の命や生活を救う研究)」こそが素晴らしいという考え方があります。実践的研究を標榜する「人と防災未来センター」で働いていた私は、このスタンスに一番近いです。
一方で、教員評価とか教員公募だと「(一定レベルのジャーナルへの)査読論文の本数」が、よく使われます。安定的に論文を出しているということは、きちんと研究をしているエビデンスになります。また、論文本数という数値は、知らない分野の研究者でも「比べやすい」というメリットがあるのでしょう。
で、自分自身の話になりますが、東日本大震災の後頃から、サボってあまり論文を書いていませんでした。幸いなことに、就職が何とかなってしまったこともありますし、調査で自分の好奇心が満たされると満足してしまって、その後の外部への発表は後回しにしてしまう性格的なものもありました。いや、もう反省と言い訳でしかありません。
ところが昨年度、論文の本数について、いろいろとご意見いただき、考えることがありました。「論文の数で研究者を評価する人が結構多いんだな」とか「論文が少ないと、なかなかひどい言われようをするのだな」と実感することがありました。
学生に対しても、ちゃんとお手本にならないと。。。
ということで、今年度は「論文本数派」に転向というか魂を売るというか、闇落ちなのか更生したのか複雑な気持ちで、頑張って査読論文を書いていく予定です。
時間的には、大学院設置やコロナ禍対応、カリキュラム改革、教員の欠員補充、子育てなどが一段落して、研究時間が取りやすくなったのが大きいです。いろいろ同時並行で進めるのが苦手なので、社会活動や教育に影響しないよう、工夫したいと思います。
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